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【コミュニケーション】会話は難しくて当たり前で自分のせいとは限らないとわかれば楽になる

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会話は難しくて当たり前。自分のせいとも限らないのです!
 
こんにちは。どいつよしです。
 
 
タイトルにあるように、今日はコミュニケーション、特に会話についてわかったことを書きたいと思います。
 
 
コミュニケーションとは、人が互いに気持ちや意見などを伝え合うことです。そして、コミュニケーションの基本のひとつであり、最も使う頻度の多いものが会話です。
 
 
この会話が上手にできないということで、「私はコミュニケーションが下手」とか「苦手」と思っている人は多いのではないでしょうか。
 
 
僕もどちらかというと会話が上手にできる方ではありません。会話が上手にできない自分を責めてしまうこともありました。
 
 
でも、心理学を学んでいく中で「そもそも会話ってのは難しくて当たり前なんだ」と思えるようになってかなり気持ちが楽になりました。
 
 
教えてくれたのはこの本。
 

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発達心理学概論 (放送大学教材)

 
 
がっつり放送大学のテキストです。笑
 
 
大学のテキストなので、少々言い回しは難しいのですが、発達心理学の全体像を理解するにはよくまとまっていると思います。このテキストに書かれていることから「へぇ!そうなのか!」と新たに学んだこともたくさんあります。
 
 

なぜ会話は難しくて当たり前なのか?

本にはこのように書かれてあります。
 
 
会話は単なる言語情報の交換ではない。言外の気持ち等を含む伝達内容の意味を読み取るだけの想像力と相手の心を理解する能力に加え、その前後の会話の流れやその場の状況を読み取るための語用論的知識と的確なタイミングで話す技量が必要とされる。
 
 
と書かれています。
 
 
ちょっと言い回しが難しいので、わかりやすく言い換えてみます。
 
 
会話は単に言葉による情報のやり取りだけではなく、以下のような力が必要になる。
 
  • 直接言葉としては表現されていない気持ちなどを含む伝達内容の意味を読み取る想像力
  • 相手の心を理解する能力
  • 前後の会話の流れやその場の状況から、発話された言葉そのものの意味よりもむしろ重要な、隠された意図を読み取る力
  • 的確なタイミングで話せる力

 

 
どうですか。ここに書いた力のひとつだけでもなかなかの難しさを求められていると思いませんか。
 
 
会話を成立させるためにはこれらの力が必要で、私たちは無意識的にこれらの力を駆使しながら会話をしているということです。
 
 
また、人間なので、全ての力を完璧に発揮できるというのがまず不可能に近いですよね。しかも、体調の影響も受けるので、日によっては思ったように力が発揮されない時もあります。
 
 
そして、相手も同じように、会話に必要な力を駆使しながら言葉のやり取りをしています。相手も人なので、完璧ではありません。
 
 
完璧でない者同士の間で行われる会話。そう考えると、会話は簡単に成立するものではないということがわかります。
 
 
さらに、どんなに会話に必要な力が強かったとしても、お互いの価値観や文化的・宗教的背景、置かれている環境や教養といった様々な違いから、会話が成立しないことも考えられます。
 
 
このようにみていくと、会話は難しくて当たり前で、会話がうまくできないのは必ずしも自分のせいとは限らない、ということがおわかり頂けるのではないでしょうか。
 
 

会話は周囲の環境や状況の影響も受ける

僕自身振り返ってみると、会話ができているなぁという時と、そうでない時の両方があることがわかりました。
 
 
共通の趣味を持っている人、同世代の友達、同じ職場の人などとの会話においては、それなりに会話ができていたと思うことが多く、
 
 
一方で、初対面の人、年齢差がある人、顔見知りという程度の人などとの会話においては、あまりいい感じで会話ができていなかったと思うことが多かったのです。
 
 
このように、自分を取り巻く環境や状況によっても、会話の出来 不出来が違ってくるということを、社会心理学者のレヴィンが提唱した法則で説明することができます。
 
 
レヴィンは「行動は人と環境との関数である」とし、以下のような公式をたてました。
 
 
行動 = f (個人の特性 , 個人の置かれている環境や状況)
 
※「f」は関数。
 
 
これに会話を当てはめてみると、
 
 
会話=f(個人の特性 ,個人の置かれている環境や状況)
 
 
となります。
 
 
つまり、会話は個人の特性だけによるものではなく、個人の置かれている環境や状況の影響も受けるということです。
 
 
会話がうまくできたと思う時や、できなかったと思う時は、それぞれにおいて周囲の環境や状況の影響もあるということです。
 
 
ですので、「私は会話が下手で。。。」と思っている人も、環境や状況によってはうまく会話ができていることがあるはずだと考えられます。
 
 
このことにひとつ付け加えさせてもらうと、人の脳みそは、できてないところに注意が向きやすく、さらに日本人にその傾向が強いのだそうです。
 
 
もしかすると、実はうまく会話ができている時や場所はあっても、できてない時ばかりがクローズアップしてしまっている可能性があるかもしれません。
 
 

脳機能の障害で会話がうまくできない人はいる

発達障害の人は脳機能の一部に障害があり、会話で必要になる力がうまく働かないことがあると言われています。
 
 
障害が認められない人でさえ、会話には最初に書いたくらいの力を必要とすることを考えると、発達障害の人にとっての会話は、難易度が高くなることは確かです。
 
 
相手の気持ちや場の状況を理解することが苦手なため、「マナーを知らない」「常識がない」などと非難されてしまうこともあるようです。そのため、会話をすることに不安を感じたり、深く悩んでしまう人も少なくないそうです。
 
 
ただ、発達障害の人の場合も、自分の特性に気付いて、専門家によるトレーニングを積んだり、障害に理解のある人たちがいる環境に身を置くことで、会話が成立しやすくなると言われています。
 
 

おわりに

今回は、会話は難しくて当たり前だということについてと、会話がうまくできないのは、個人にすべて問題があると言う訳ではないということについて書きました。
 
 
繰り返しになりますが、
 
 
  • 人が会話をする時には複数の力を必要とすること。
  • しかもそのひとつひとつが結構難しいことであること。
  • 相手の会話力の影響も受けること。
  • 周りの環境や状況等の影響も受けるということ。
  • 脳機能の一部に障害があると会話に必要な力が働かないこともあること。
 
 
という理由から会話がうまくできない時があって当たり前なんだ。
 
 
と頭に入れておき、会話に対しての不安な気持ちや悩みが心を支配しそうになった時に思い出して頂くと、気持ちが楽になるのではないかと思います。
 
 
特に、以前の僕と同じように「会話がうまくできない自分を責めてしまう人」や、会話が上手にできないということで「私はコミュニケーションが下手」とか「苦手」と思っている人には、ぜひ知っておいて頂きたいなって思います。
 
 

参考文献

発達心理学概論 (放送大学教材)

発達心理学概論 (放送大学教材)

  • 作者:向田 久美子
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2017/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

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