ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

フォーカシングになくてはならないフェルトセンスってどんなもの?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
フォーカシングについて3本目の記事です。
 
 
フォーカシングってなに? 食べれるの?って思った方はこちらを先に読んでみてください。

 
今回は、フォーカシングを学ぶと必ず出てくる言葉、というか、なくてはならない「フェルトセンス」について、僕が理解していることをアウトプットします。
 
 
では、さっそくいってみましょー!!
 
 

フェルトセンスの生い立ち

これまでの記事で、「フォーカシングの創始者のユージン・ジェンドリンは、カウンセリングの中でプロセスが進み、成功する人たちの特徴について、ある共通点があることを見出した」ということを書いてきました。
 
 
その共通点とは、「面接の過程で直接からだで感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気付きがあり、それを確かめながら言葉を探っている」ということでしたよね。
 
 
この「直接からだで感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気付き」にジェンドリンが付けた名前がフェルトセンスです。
 
 
日本語では「からだの感じ」「気になる感じ」などにあたります。
 
 
そして、ゆっくりと丁寧にフェルトセンスを確かめながら言葉を探って、表現する行為がフォーカシングです。
 
 

フェルトセンスってどんなもの?

関西大学の池見陽先生の言葉を引用させていただくと、
 
 
はっきりとした感情ではないが、なんとなくカラダに感じられていて、そこには意味が含まれているもの。
 
 
です。
 
 
喉・胸・お腹といった、カラダの真ん中で感じることが多いです。
 
 
「いま、何を感じていますか?」と訊かれて、喉・胸・お腹あたりに注意を向けていくと気がつく、「イライラした感じ」「落ち着かない感じ」「ソワソワした感じ」「喉が詰まる感じ」などがそうです。
 
 
また、日本語には「腹が立つ」「胸に刺さる」「胸がしめつけられる」という言葉に代表されるように、体の部分が言葉がたくさんありますが、これらはフェルトセンスを表現しているものといえるそうです。
 
 
ちなみに、ワークショップに参加すると、フェルトセンスを体験的に理解するワークがあります。
 
 
僕は、「好きな人と嫌いな人を思い浮かべるワーク」を体験しました。
 
 
「好きな人を思い浮かべてください」と言われて、 喉・胸・お腹あたりに注意を向けていくと、「胸のあたりがあたたかくなる感じ」「下腹部が軽くなった感じ」に気付き、
 
 
「嫌いな人を思い浮かべてください」と言われて、 喉・胸・お腹あたりに注意を向けていくと、「下腹部がギューッと絞られるような感じ」「胸がキュッと締め付けられるような感じ」に気付きました。
 
 
このように、ワークショップに参加すると「フェルトセンスってこういうものなんだ」というのが体験的に理解できて面白いです。
 
 

私たちは常にフェルトセンスとともにある

池見先生によると、私達は普段からうっすらとしたフェルトセンスを感じながら生活しているとのことです。
 
 
例えば、服を着る時。最初に来た服が「なんか違う」という感じがして、着替えてみたところ、次着た服のほうが「しっくりくる」感じだった、ということ。
 
 
電車の中で音楽を聴こうとする時に、ロックが流れてくると「なんか合わない」感じがして、クラシックに変えてみると「しっくりくる」感じでそのままクラシックを聴くことにした。というようなこと。
 
 
レストランで食べ物を選ぶ時に、こってりしたものは「なんか違う」感じがして、あっさりしたものが「しっくりくる」感じがして、そちらを選ぶというようなことです。
 
 
このように、私達が行動する時には、その裏側にフェルトセンスがあり、フェルトセンスに合わないと違和感がおきます
 
 
服でも音楽でも食事でも、どれにするか決めて行動する時には、一旦、カラダにあるフェルトセンスに照らし合わせて、しっくりくるかどうかを確認する作業をほぼ意識することなくしているということになります。
 
 
普段、私達はフェルトセンスとともにあるにもかかわらず、フェルトセンスに気づくことがほとんどないままに生活をしていっているということなのです。
 
 

フェルトセンスは知恵の源泉

ジェンドリンは、カウンセリングに来るクライエントみんなが、じっくりゆっくりフェルトセンスに触れることができないものかと考えて、意図的にフェルトセンスに触れていく手法を世に送り出しました。(この手法が一般的にフォーカシングと言われているものになります。)
 
 
カウンセリングにおいてとても大事な存在のフェルトセンスは、「非言語的な知恵の源泉」とか「内側に秘めている宝の場所」などとも言われます。
 
 
カウンセリングに限らず、フェルトセンスに気づくことができれば、いろいろなよい効果があると言われています。
 
 
・学び方や考え方、意思決定の仕方や何かを創り出す仕方を変える。
 
 
・主体的でありつつ、他者とのよりよい関係を築けるようになる。
 
 
・回復力や洞察力を強め、生産性を高める。
 
 
・自分の気持ちに触れるのが難しい人には触れる方法を、強い気持ちに圧倒されてしまいがちな人には圧倒されず麻痺しないための方法を手に入れられる。
 
 
・エクササイズやボディ・ワーク、瞑想などの個人的成長や健康的な生き方を促す方法がより効果的なものになっていく。
 
 
などです。
 
 
フェルトセンスに気づき、それに触れていくことは、私たちの人生をも良い方向に変えていくことになるということが言えますね。
 
 

フェルトセンスに気づくのは難しい

先述したように、フェルトセンスに気付くことは、魔法が使えるようになるような素晴らしいことに見えます。
 
 
しかし、それは、今までの生活の中で、ほとんど無視されてきた能力です。
 
 
ですので、その能力を利用する方法を学ぶには時間がかかると言われています。
 
 
僕がフォーカシングを教わった日笠摩子先生も、使いこなせるようになるまでに3年かかったと仰っておられたと記憶しています。
 
 
今はフォーカシングの講座や、フォーカシング・トレーナーの方がたくさんいるので、それほど長い時間をかけずに、フェルトセンスに気づける能力を目覚めさせることができるのではないかと思います。
 
 
ただ、フェルトセンスに気づけたとしても、すぐに解決をもたらすというものでもないので、余裕をもって、かつ、真剣に取り組むことが必要になります。
 
 
また、自分の中にある不快な部分を突きつけられることもありますので、そういったことをあらかじめ知っておくことも必要です。
 
 
ここまでのことを踏まえて、フェルトセンスに気付いて、ゆっくり触れていくプロセスを体験するのであれば、やはり、フォーカシング・トレーナーによるワークショップに参加されることをオススメします。
 
 
フォーカシングについての書籍はたくさん出ていますが、ひとりではなかなか難しいのと、安心安全な場の確保ができないということが理由です。
 
 
フォーカシングのワークショップの情報については、日本フォーカシング協会のホームページで公開されていますので、ぜひ、ご覧になってみてください。
 
 

おわりに

いかがでしたでしょうか。
 
 
今回は、フォーカシングになくてはならない存在のフェルトセンスについて書きました。
 
 
「答えはクライエントの中にある。」というのは、心理療法の壁を越えて言われる言葉でありますが、それはまさにフェルトセンスのことを言っているのだと思います。
 
 
フェルトセンスという言葉を使っているかいないかだけの違いで、最終的には、どの心理療法もフェルトセンスに気付くことを目指していくようになっているのではないかと思います。
 
 
その中でも、フォーカシングは、誰もが意図的にフェルトセンスに気づけるようにすることを目指した手法です。
 
 
できるようになるまでには、少々時間がかかりますが(お金もかかります。笑)、やっぱりできるようになって僕は良かったと思っています。
 
 
少しでも、フォーカシングの魅力をお伝えできるように、今後もフォーカシングに関する記事をできるだけわかりやすい内容で書いていくようにしますね。
 
 

参考文献

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

  • 作者: アン・ワイザーコーネル,Ann Weiser Cornell,大沢美枝子,日笠摩子
  • 出版社/メーカー: コスモスライブラリー
  • 発売日: 1999/09/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 6人 クリック: 19回
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誰もがフォーカシングをできるようになるための方法がわかりやすく書かれている教示法の本です。


産業カウンセラー仲間には、この本でフォーカシングを体験し、カウンセリングに役立てられるようになったという人もいます。


自分でフォーカシングができるようになりたい人にオススメです。



傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

 

ジェンドリンのフォーカシングについてはもちろんのこと、ロジャーズの理論についての誤解を解く内容が書かれていたり、来談者中心療法以外の療法についても、池見先生が解説をされています。


ロジャーズをきちんと理解した上で、ジェンドリンを知ることができる、一石二鳥以上のお得な本でもあります。

 

マインドフル・フォーカシング:身体は答えを知っている

マインドフル・フォーカシング:身体は答えを知っている

 

ジェンドリンのフォーカシングの方法と、仏教の瞑想の知恵を統合した、「マインドフル・フォーカシング」についての本。フォーカシングとマインドフルネスのそれぞれの理論について学べます。

マインドフルネスの考え方を応用した、フェルトセンスに気付きやすくする準備の方法「GAPの3ステップ」を習得すると、ひとりでもフォーカシングができやすくなりそうです。

 

ただ、フォーカシングの入門書としては少々難しい内容になっています。

 

合わせて読んでみてください

www.kokoronokawamuki.com