ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

フォーカシングってなに?どんな生い立ちでどんな効果があるの?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
ソリューションフォーカストアプローチ(以下SFAと記載)と同じ2017年から学び始めたのがフォーカシング。
 
 
2017年1月に高知に来られたフォーカシングの第一人者、池見陽先生の講座に参加してから、その魅力に取り憑かれてしまいました。
 
 
それから、日笠摩子先生、デヴィッド・I・ローム氏、と他の先生方の講座に参加したり、書籍を読み漁ったり、発展型のインタラクティブ・フォーカシングの講座にも通ってきました。
 
 
SFAと同じくらい大好きなフォーカシングですが、いざ、誰かに説明しようとするとじょうずにできないことが多いなぁと思うことが多くなりましたので、一旦学んだことをアウトプットして整理してみることにしました。
 
 
まずは、フォーカシングの一般的な説明と生い立ち、そして、得られる効果についてを書いていきます。
 
 
ではさっそく、いってみましょー!!
 
 

フォーカシングとは?

哲学者でもあり心理学者でもある、ユージン・ジェンドリンが提唱した心理学の理論と実践の名称です。
 
 
その説明については、研究者によって書き方がいろいろとありますが、僕はそれらを咀嚼した結果、
 
 
「自分の内側にある言葉やイメージにならない[感じ]に注意を向けていき、
 
 
その[感じ]に触れながら、それを言葉やイメージなどで表現して、
 
 
[感じ]に秘められた意味を明らかにしようとするプロセス」
 
 
を誰でもできるようにする方法。

 

 
と理解しています。
 
 
ちなみに、簡潔にフォーカシングを説明しているものには、
 
 
「やさしい思いやりをもって先入観なしに自分の<からだ>に耳を傾けるもの」by アン・ワイザー・コーネル
 
 
静かに、心に感じられた「実感」に触れ、そこから意味を見いだす方法by 日本フォーカシング協会HP
 
 
などがありました。
 
 
フォーカシングの理解がすすんでくると、これくらい短くてもわかりそうです。
 
 

フォーカシングの生い立ち

創始者はユージン・ジェンドリン。哲学者ですが、来談者中心療法を考案したカール・ロジャーズに学び、共同研究者となりました。
 
 
ジェンドリンは、カウンセリングの中でプロセスが進み成功する人たちの特徴について、何百という心理治療場面の録音テープを検討し、以下のような共通点を見出しました。
 
 
成功するクライエントは、面接の過程で直接<からだ>で感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気付きがあり、それを確かめながら言葉を探っている。
 
 
例えば、
 
 
「うーん、どう言ったらいいんでしょう。ちょうど、ここのところにあるんだけど。それは……あのー……それは……寂しさというのとはちょっと違うし……うーん。」
 
 
というように、面接のどこかで話し方がゆっくりになって、言葉の歯切れが悪くなり、その時に感じていることを言い表す言葉を探し始める。
 
 
あるいは、
 
 
「それは喉元のここのところにあるんです」
 
とか
 
「みぞおちのあたりが、こう、なにか変な感じがするんです」
 
 
というように、その感じを<からだ>で感じている発言をすることです。
 
 
そして、まだ言葉やイメージにならない感じを確かめながら、言葉を探り、ぴったりな表現が見つかると、クライエントには、緊張の解消やホッとするなどの感覚的な変化が感じられ、問題に対する気づきも生まれたのだそうです。
 
 
一方で、カウンセリングがうまくいかなかったクライエントたちは、面接の間ずっと言いよどむことなくすらすらと話していて、<からだ>で感じることがありませんでした。
 
 
「頭で考えるレベル」にとどまっていて、問題について、いくらいろいろと分析しても、説明しても、考えても、あるいは涙を流しても、うまくいくことはなかったそうです。
 
 
このことから、カウンセリングが成功することについて大事なのは、クライエントが何を話すかという内容ではなく、言葉では表現しにくい<からだ>の[感じ]に気付き、それを直接感じて言語化できるかどうかであるいうことがわかったのです。
 
 
しかも、<からだ>で感じることができてカウンセリングが成功したクライエントは、カウンセリングを受けにやってきた時から、すでにそれができていたのです。
 
 
そこで、ジェンドリンは、成功したクライエントに共通して見られた「直接<からだ>で感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気付きがあり、それを確かめながら言葉を探っていくプロセス」を、誰もができるようにすれば、カウンセリングを受けに来たクライエントが、うまくいく人といかなかった人に分かれてしまうことは無くなるだろうと考えました。
 
 
そして、見事に技法化することに成功し、フォーカシングと名付けました。
 
 
また、「直接<からだ>で感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気付き」のことを、すでに言葉にされている感情や経験とは区別して、フェルトセンスと名付けました。
 
 
日本語では、「からだの感じ」「気になる感じ」などにあたり、「違和感」や「痛み」として感じられることもあります。
 
 
フォーカシングはフェルトセンスに触れていくプロセスを誰もができるようになる手法ということです。
 
 
フェルトセンスについてはこちらに詳しく書いています。 
 

 

 

 

フォーカシングの効果

フォーカシングは、心理療法がうまく進むために役立つ方法だけにとどまらず、以下のようなことに役に立つといわれています。
 
 
・自分がどう感じているか何が欲しいかをもっとわかるようになりたい時に、納得できる答えを自分で導き出すことができるようになる。
 
・押さえきれないくらいのネガティブな感情に巻き込まれそうな時、適度な距離を保って付き合えるようになる。
 
・「できない病」とか「やめられない病」といった行き詰まり状態を解消できる。
 
・自己批判などの自分自身に対する否定的な思いを緩和できるようになる。
 
・自分の心を整理したり、軽くしたりできるようになる。
 
・自分が納得のできる正しい選択をできるようになる。
 
・ストレス性の身体症状を自分で緩和できるようになる。
 
・トラウマに対してやさしく触れることができるようになり、自分で癒せるようになる。

 

などがあります。
 
 
この他にも、教育やスポーツ、芸術などの分野での活用事例について世界中で研究がすすめられているそうです。
 
 
そういえば、宇多田ヒカルの作曲方法もまさにフォーカシングなんですよね。そのことについても今度ブログにしますね。
 
 

フォーカシングを学んでよかったこと

僕がフォーカシングを学んで良かったことはたくさんありますが、その中からベスト3(2019年7月現在)を選んでみました。
 
 
・自分自身がネガティブな感情にガッツリ巻き込まれる前に、「僕の心の中にネガティブな感情がある」と気付いて、適度な距離をおけるようになったこと。
 
・クライエントの話を追体験できるようになって、伝え返しのクオリティがあがったこと。(追体験はまた改めてブログで書きます)
 
・クライエントの話の内容以外の非言語の部分にも注意して話を聴けるようになったこと。

 

です。

 
 

学びは続くよどこまでも

今回は、フォーカシングの一般的な説明と生い立ち、そして得られる効果について書きました。
 
 
フォーカシングの学びを深めていくには、「フェルトセンス」や「体験過程」といった用語や、「傾聴の中でのフォーカシング」や「教示法のフォーカシング」についてなども理解する必要があります。
 
 
これから次回以降、一つずつ確認していきますね。
 
 
大好きな理論と技法であるだけに、しっかりアウトプットして自分のものにしていきたいと思っています。
 
 
とりあえず、今回はこのへんで。今回もお読みくださりありがとうございます!
 
 

参考文献

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

  • 作者: アン・ワイザーコーネル,Ann Weiser Cornell,大沢美枝子,日笠摩子
  • 出版社/メーカー: コスモスライブラリー
  • 発売日: 1999/09/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 6人 クリック: 19回
  • この商品を含むブログ (13件) を見る
 

誰もがフォーカシングをできるようになるための方法がわかりやすく書かれている教示法の本です。


産業カウンセラー仲間には、この本でフォーカシングを体験し、カウンセリングに役立てられるようになったという人もいます。


自分でフォーカシングができるようになりたい人にオススメです。

こころの天気を感じてごらん―子どもと親と先生に贈るフォーカシングと「甘え」の本

こころの天気を感じてごらん―子どもと親と先生に贈るフォーカシングと「甘え」の本

  • 作者: 土江正司,ますいゆうこ
  • 出版社/メーカー: コスモスライブラリー
  • 発売日: 2008/10/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 1回
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気持ちや<からだ>の感じを天気で表現することで、自分の気持ちや感情をじょうずに相手に伝える力を養うことを目的とした「こころの天気」を使って、教育現場でフォーカシングを活用できるようになる本です。


フォーカシングを知らない人でもすぐに実践しやすいように書かれてあります。


また、後半部分は、子どもの成長・発達と甘えの関連性について書かれており、子育て支援や家庭支援にも役に立つ内容になっています。

 

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

 

ジェンドリンのフォーカシングについてはもちろんのこと、ロジャーズの理論についての誤解を解く内容が書かれていたり、来談者中心療法以外の療法についても、池見先生が解説をされています。


ロジャーズをきちんと理解した上で、ジェンドリンを知ることができる、一石二鳥以上のお得な本でもあります。