ココロの皮むき

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの資格を取得してから心理学にどっぷりハマっている日々の忘備録。アドラーとかSFAとか受講したセミナーのこととか読んだ本のから得た気付きとか。とにかく心理学に繋がることなんでも忘れないように書いてます。

【自分の領域と相手の領域を区別する】ことが対人関係の問題を改善し、良好な関係を作る入り口となる!?

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※このブログでは「個人と個人の結びつき」からみた人間関係を言っている部分に「対人関係」、個人の場合も含めますが「集団や組織」との関係のことを言っている部分に
「人間関係」という言葉をゆる〜く使い分けるようにしています。曖昧なところはお許しくださいね。

 
こんにちは。どい つよしです。
 
前回は、【課題の分離】が対人関係の悩みを取り去り、良好な関係を作る入り口となることをテーマにお伝えしました。

 


さらにその前は、人間関係の悩みを解消するきっかけとして、「人間関係での摩擦は起きて当たり前」ということを知ということをお伝えしました。

 

 

今日は、前回の続きになります。

 

「人間関係での摩擦は起きて当たり前」ということを知った上で、さらにもう一歩進んで、対人関係の問題を改善するだけでなく、良好な関係を作ることへと繋がっていく考え方として、僕がオススメしたい考え方についてです。

 

その考え方とは…

 

 

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自分の領域と相手の領域をきちんと区別することです。

 

自分の領域と相手の領域とは?

「自分の領域と相手の領域を区別する」は、対人関係療法の第一人者である、水島広子先生が提唱されている考え方です。
 
「自分の領域と相手の領域」について水島先生によると、

私たちにはそれぞれの感じ方があり、その感じ方にはそれぞれの事情が反映されている。
 
事情というのは持って生まれたものや育った環境.現在置かれている状況や、今日の気分など、まさにその人にしかわからない事情のことを言う。
 
これらの事情に基づく、自分にしか分からない領域を自分の領域と考え、相手にしかわからない領域を相手の領域と考える。 

とのこと。

そして、対人関係の多くの問題が、相手の領域に入り込んだり、自分の領域について責任を持たなかったりする結果として起こると考えます。(ここ、アドラーの「対人関係のトラブルの原因は相手の課題に土足で踏み込んだり、踏み込まれたりすることだ」に似ていますよね。)
 

相手の領域に入り込む人の例

相手の領域に入り込む人は、相手の事情も知らずに何かを決めつけたりします。
 
自宅介護が限界に達し、家族で話し合って決めた施設入所という結論に対して、第三者が、「平気な顔して施設に入れるなんてお祖母様がかわいそう」と決めつける、などと言うのはその典型例です。
 
また、自分なりに仕事の優先順位を考えてうまくやろうとしているのに、言われたことに対してすぐに手をつけないから、仕事ができないんだなどと決めつけるのも、その一つ。
 

自分の領域に責任をもたない人の例

自分の領域に責任を持たない人は、「言わなくてもわかるはず」と何も言わずに自分の顔色を読ませようとします。
 
でも、相手は超能力者ではないので、それに反する言動を取ってしまうこともありますよね。
 
すると、「私が嫌がるとわかってるくせに、なんでそんなことするのよ!」ということになって怒り出します。
 

相手の領域のことはコントロールできない

「相手の領域に入り込む」ことも「自分の領域に責任をもてないこと」もどれも対人関係のトラブルにつながってしまいます。
 
相手の領域にまつわる話は、自分には本当のところわからないものですし、それを直接コントロールすることもできません
 
わからない相手の領域の話を、わかったように言ったり振る舞うことは、決めつけや余計なお世話ということになります。
 
コントロールできないものをコントロールしようとすれば、独りよがりで押し付けがましいこと以外にありませんので、さぞ、やられた相手は不快に感じ、トラブルに発展する危険性が高くなります。
 
反対に、自分の領域にまつわる話は、自分にしかわからないので、黙っていて相手にわかるということはありません。
 
自分にしかわからない領域の話を、相手にわかってくれと言うのことも、独りよがりで押し付けがましいことになりますよね。
 
対人関係でトラブルを抱えやすい人は、自分が「相手の領域に踏み込む」ことをしていないか、相手に求めるのではなく「自分の領域に責任を持つ」ことができているかを振り返る機会をもつことで、
 
トラブルに発展することを予防できたり、トラブルを最小限に抑えることができるようになっていくことができるのはないでしょうか。
 

他人の目が気になる私からの脱却

自分が相手からどう思われているかという不安を持つ人も、自分の領域と相手の領域の区別ができていないと考えられます。
 
そういう人は、「自分が相手からどう思われているか」について、相手の顔色や雰囲気から、見えない手がかりを一生懸命探します。
 
しかし、わからないことを読もうとするのは結果的に疲れます。相手の顔色や雰囲気を常に気にしていなければなりませんので、対人関係で緊張しっぱなしで心が休まりません。
 
相手の浮かない顔色や雰囲気だけで判断して、「私は嫌われた」と凹んだりすることもしばしば。
 
でも、相手はたまたま強い睡魔に襲われていただけなのかもしれない。急な腹痛に耐えていたのかもしれない。
 
相手の領域のことは直接コントロールすることができないんだと、割り切ってしまえれば楽になるのに。。。
 

相手が見る自分は本当の自分ではない

「他人の目が気になる」という時、私たちは相手が見る自分と、実際の自分をほとんど混同しているのだそうです。
 
しかし、本当のところは相手が見る自分には相手側の事情がかなり反映されているとのこと。
 
相手にしか分からないフィルターを通して見ているので、本当の自分の姿とはイコールにならないということですね。
 
人は、何かをそのまま見るということがありません。私も含めて、必ずその人にしか分からないフィルターを通して見ています。
 
フィルターは「捉え方」と言い換えることができますが、その捉え方を作るのは、その人の性格だったり、その人の価値観だったり、それまでを歩んできた人生における様々な体験だったり、その日の気分だったり。。。百人百様です。
 
相手が見ているのは実際の自分ではなく、あくまでも、相手の捉え方を通した自分という訳ですので、相手の評価は全く妥当性に欠けるものだといえます。
 
自分が相手からどう思われているか、どう見られているかが気になって、心が辛くなっている自分に気付いたら、
 
「相手が見ているのは実際の自分ではなく、あくまでも、相手の捉え方を通した自分なんだ。」
 
と、心の中で唱えましょう。それを習慣づけていくことで、他人の目を気にすることが少なくなっていきますよ。
 

良好な関係を作る入り口へ踏み入れよう

【自分の領域と相手の領域をしっかり区別する】ことは、良好な対人関係を作る入り口になります。
 
対人関係のトラブルは、「相手の領域に入り込む」ことや「自分の領域について責任をもたない」ことによるということをお伝えしました。

トラブルを予防・解消し、良好な関係を作っていくには、この反対のこと、「相手の領域に踏み込まない」「自分の領域について責任をもつ」をすると良いということになりますよね。
 
「相手の領域に踏み込まない」「自分の領域について責任をもつ」には、【自分の領域と相手の領域をしっかり区別する】ことが必要不可欠です。
 
また、「誰もが独自の捉え方でもって物事を見ていると知っておくこと」で他人の目を気にすることが少なくなることもお伝えしました。
 
まとめますと、相手との安心できる良好な対人関係を作るには、

【自分の領域と相手の領域をしっかり区別すること】を入り口として、
・「相手の領域に入り込まないこと」
・「自分の領域について責任を持つこと」
・「誰もが独自の捉え方でもって物事を見ていること」
を意識して付き合っていくこと

をしていくと良いということになります。
 
これらを相手に求めるのではなく、まずは自分からやっていくことがとても大切です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
 
今日は、【自分の領域と相手の領域をきちんと区別する】ことが、対人関係の悩みを取り去り、良好な関係を作る入り口となるということをテーマにお伝えしてきました。
 
前回から通して読んで頂くと、【課題の分離】とつながる部分があることがおわかり頂けるのではないかと思います。
 
アドラー心理学と対人関係療法は、どちらも「人の悩みの原因は対人関係にある」としているので、言い方は違えど、共通することが多いです。
 
僕はこの2つの考え方を日々の生活に取り入れて絶賛実践中です。対人関係で悩んだり、気がかりなことが出てきた時は、それに対して【課題の分離】と【自分の領域と他人の領域をきちんと区別する】のどちらか、自分が安心できる相応しい方で対処するようにしています。
 
今までの僕は、自分の領域に責任を持てず、相手の領域のフィルターを通した自分の姿を気にしたり、相手からの領域侵犯を許したりすることで心が疲れてしまうことが多かったのですが、
 
お稽古を続けていく中で、自分の領域に責任を持つことができるようになってきて、心が疲れることが減ってきています。
 
もし、今、対人関係に悩んでいるのなら、「自分のことは自分にしか分からないし、相手のことは相手にしか分からないし自分ではどうすることもできないんだということを意識し、自分の領域に責任を持つようにすること」からはじめてみてはいかがでしょうか。
 

参考文献

対人関係療法の水島広子先生による「疲れない気づかい」の本。気を遣っているつもりがいつも相手を不快にさせてしまう、気を遣いすぎて疲れてしまう、そんな人への処方箋が書かれています。【自分の領域と相手の領域を区別する】を柱にして、いろんな事例が載っていますので、【自分の領域と相手の領域を区別する】を理解するにはもってこいの本です。

 

もう一冊が、同じく水島先生による「他人の目が気になる人」への処方箋が書かれた本。ブログで書いた、「相手が見ているのは実際の自分ではなく、あくまでも、相手の捉え方を通した自分である」ということをはじめ、評価体質からの抜け出し方や、評価したがる人への対処法などが書かれています。

 

以上、2つの書籍を読むことにより、【自分の領域と相手の領域を区別する】ことへの理解を深めていくのもオススメです。

 

あわせてどうぞ

 

 

www.kokoronokawamuki.com